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武田軍の足軽大将リューザキ弾正、通称リュー弾♪またの名をカラボリーナ・ドルイスカヤ(爆)最近、草弾師匠という官位(笑)も授かりました☆ 諸国、諸時代、諸かるちゃーを 徒然なるままへめぐります


by リューザキ弾正
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リュー弾ブログ、次は何処へ・・・・(笑)

リュー弾ブログ、次は何処へ・・・・(笑)_f0182920_13595746.jpg
山岡鉄舟記事の次は・・・

もちろん、「ちりとてちん」に決まっているぢゃないですか(爆)  
毎週日曜深夜午前1時10分~(BS ハイビジョン)にて再放送中♪今、第1週が終わったところ、まだ間に合うよ~(笑)
幕末スキーさんなら、ご存知でしょうが、
山岡鉄舟と落語家三遊亭円朝との深い交友は有名です。

・・・ということで、ハイビジョンで再放送も始まったことですし、
え~、御噺を一席(笑) 


リュー弾ブログ、次は何処へ・・・・(笑)_f0182920_140504.jpgドラマに落語の噺を盛り込む。
時節見かける手法ではあります。
映画では、「幕末太陽傳」が有名です♪(後日記事にします)
皆さんの記憶にも新しいのが
クドカン脚本ドラマの「タイガー&ドラゴン」でしょう。

NHKの朝ドラ「ちりとてちん」には、上方落語が散りばめられております。
とは言え、私も当初は「T&D」の関西味付け程度でしょう?と少々侮っていました(陳謝)
 

リュー弾ブログ、次は何処へ・・・・(笑)_f0182920_1413752.jpg朝ドラ史上画期的なヒロイン(笑)ヘタレで、不器用で後ろ向き性格の喜代美。
「一生懸命生きる姿は面白い、
お前はぎょうさん笑って生きろ」
祖父の珠玉の遺言も、実践は難しい。
何しろ、全て悪い方へ妄想を展開する性質(^^;)
ヘタレ&うじうじで、人生上手くいかない。。。
一念発起して、飛び出した大阪で落語に出会い、
不器用に面白可笑しく泣笑いながら、
落語家の世界で奮闘するのが、今作です。

上方落語の「噺」がドラマ世界に盛り込まれているだけはでなく、上方落語が抱える現実、落語の常打ち小屋がない、自主的に落語会を開く難しさという部分なども、きちんとドラマに盛り込まれています。(戦後初めての上方落語の常打ち小屋・繁盛亭が出来たのは平成になってからです) 



なんと、魅力に乏しいレビューだっ!(-"-;)・・・気を取り直して(^^;;)

脇役人生のヒロイン・和田喜代美。演じる小柄な貫地谷しほりさん。
彼女のコンプレックスの原因・美人で才女の和田清美(長身の佐藤めぐみサン)
二人の名前の読みが同じなことで、ドジでヘタレな、ヒロイン喜代美は見事に引き立て役。
この二人の名前にも小技が利いております。
上方落語でドジで間抜けな人物の代表・喜六。そのコンビの頭の良い清六
喜代美清美のキャラクターの違いがここに表されております。

主役の貫地谷しほりサンは、「風林火山」の悲劇のミツの名演が記憶に新しいうちに、
喜代美という存在だけで笑える人物を、決して笑どころを外さぬ脚本が作り出す空気感を
滑稽味たっぷりと演じ、喜代美のドジでヘタレ人生を笑いと涙のストーリーとして、
見事に昇華してくれていました。

喜代美の人生、取り巻く人々にも様々な仕掛が散りばめられ、捨てキャラが、
ほぼいないと、言い切って良いでしょう。どの人物にも様々な背景が準備されていました。
撮影前にほぼ全話の骨格を決めておいて練り上げたストーリー。
その張り巡らされた伏線の数々。その密度の濃さは、三谷幸喜クラスと言い切れます。
このドラマのチーフ・ディレクターが「新選組!」を担当された方であるのも何かの縁でしょう(^^) 


その中で特に、ヒロインの母親・糸子さんは強烈でした。
(この「糸子」の名前も、落語の登場人物から)
和久井映見さんと言えば、トレンディードラマのヒロインを勤めてきた女優さんです。
その彼女の「朝ドラ・ヒロインの母親役」の段階で、驚かれた方も多かったそうです。
ドラマの糸子さんは、そのことすら忘れる衝撃的な破壊力は度肝を抜きました。
糸子さんのボケのすさまじさ、空気読まない体質、犬並みの嗅覚(爆)、
予想だに出来ない行動。奇妙な言語感覚(^^;)、そして、「おかあちゃん」としての存在感。
落語再現シーンの第一弾の「愛宕山」の太鼓持ち一八を担当したのも衝撃でした。
(ちなみに、貫地谷さんも落語再現シーンは男役がほとんど。五分刈り姿とか。。。笑)
和久井さんの熱演と相まって、史上最強の母親となってしまいました。
当時、清楚な女優さんの印象の強く残る和久井映見さんに、
特異なコメディエンヌの資質を見抜いた、プロデューサーの卓見は、特筆すべきです。
某フジテレビ特別ドラマ「我が家の歴史」で和久井さんは、
サザエさんの作者・長谷川町子さん役で登場しますが、
ミタニン、「ちりとてちん」見ていたでしょう?www と、隠れて爆笑しております。

さて、どう書いても、このドラマの良さを紹介し切れているとは思えません。
貫地谷しほりサン演じる喜代美のヘタレで不器用だけど、
不器用なりに頑張って・・・粉砕するさま(^^;) また、炸裂する妄想(^^;;)
喜代美の妄想は、落語再現シーンと共にこのドラマの名物でした。
名うての名優すら、喜代美の「妄想」に付き合って、可笑しな演技を展開してくれました。
喜代美の「妄想シーン」のためだけの出演者もおりました(^^;)

そして、一癖もふた癖もある徒然亭の四人の兄弟子たちも魅力的でした。
あの最初の登場シーンで、まさかヒロイン夫になるとは誰にも感じさせなかった(爆)、
兄弟子・徒然亭草々を演じる青木嵩高さんは、現在、幕末で喜代美とニアミス中(^^;)
(兄弟子の魅力を語るだけで記事がひとつ出来てしまうので、ここは佐久っと省略)

さて、訳あって、ヒロインと出会った時、芸能界から干され酒びたりの借金生活だった、
彼女の運命を大きく左右する、徒然亭草若師匠。
かつては、上方落語の四天王とまで称された名人。しかし今や一門は崩壊状態。
少女の喜代美がお祖父ちゃんと一緒に聞いていた落語のテープの噺家でもあります。
ドジでヘタレな喜代美を、「落語みたいな奴や」、と面白がり肯定するところから、
喜代美の人生と、うらぶれ燻ぶっていた草若師匠の人生が大きく変わります。
和久井さん同様、かつてないこの役柄に挑戦した渡瀬恒彦さんの好演も光っていました。
師匠と弟子という、今では珍しい徒弟制度を、丁寧に描いたのもこのドラマの魅力です。弟子ひとりひとりの特性を見極め、弟子を褒め、弟子を叱り、弟子を愛し、
弟子を育てていく。そのことでまた師匠自身も成長していき、
その深い絆の中で、先人の芸が伝承されていく・・・
これは、喜代美のドラマであると共に、徒然亭一門のドラマでもありました。

また、喜代美の実家の伝統若狭塗り箸の、伝統を守る継承するという部分ともリンクされ、
小浜パートと大阪パートの見事な融合も特筆したいです。
ちなみに、最初に落語指導を受けた時の渡瀬さんのこだわりから、
「愛宕山」に “徒然亭バージョン” が出来てしまい、
実際の高座でそれをかける、落語家さんが今もいるくらいです。
(後に、渡瀬さん自身、落語って、そういうところにこだわるもんじゃなかった、
と、回を重ね落語に親しむ度合いが大きくなってから、述べております ^^;)
落語という渡瀬さんにとっては無縁な世界、それもドラマでは最初から「伝説の人」の設定。
かつてない役柄に渡瀬さんは、かなり苦労されたそうです。
しかし、渡瀬恒彦の草若師匠なしでは、このドラマは成立しえなかったでしょう。


さて、長くなりました。良いドラマとは、良いキャスト、良い脚本、的確な演出。
それらを生み出す環境を守りきるプロデューサー始め、
スタッフの熱意あればこそ、生まれます。
それは、奇跡ではなく、必然です。
「ちりとてちん」は、当時、朝ドラ史上一番下の平均視聴率を叩き出しました。
しかし、ネットの反響、局に届く手紙、メール、電話・・・熱い声援が寄せられました。

そこで、せめてもの感謝と、不人気の記録だけじゃないという思い出作りに(^^;)と、
ファン感謝祭を「往復葉書」(爆)にて応募のところ、
NHK大阪ホール定員15倍もの「往復葉書」(^^;)が届き、
その熱さを間近で接した、VAPのスタッフが漸くDVD完全版の製作を決定しました。
そして、その完全版DVDは、記録的な販売数を誇ることになります。
当初は、視聴率低いんだし・・・と、総集編すら発売を見送られるところでした(汗)

そして、最終回放映の前日、つまり金曜の回の放送後の8時半のニュースの冒頭、
アナウンサーが、事前打ち合わせなしで「明日の最終回もお楽しみに」と発言。
スタジオと副調整室、そしてドラマを見ていた御家庭にどよめきを巻き起こしました。
「この半年の間、『ちりとてちん』を楽しませて貰ったお礼を何らかの形でがしたかったと、
後に、森本アナウンアサー本人は、そう供述しております(^^)v


良いドラマとは・・・当初どのような不当な評価をされようと、
 ちゃんと「伝説」になるものです。


あ、あと一言!ドラマの舞台となる土地の地元出身のスタアが本人役で登場♪
・・・って、よくありますよね~(大概、あぁ~しょうもないって、登場で終わりますが)
福井県出身のスタア、五木ひろしよっ!君の怪演(と、それを了承した度量)は、一生忘れないぞぉぉぉ!(爆笑)

by salieri777 | 2010-04-08 14:49 | ドラマでほっこり