中村主水が、永遠に刻印される「時」
2010年 05月 18日
「必殺仕事人 2010」
7月10日午後9時から、放送決定!
必殺シリーズの最新スペシャルドラマの中で、
中村主水の存在が、永遠にその世界の中に刻印されようとしております。
どういう形か、まだ判りませんが・・・
実は、「永遠の刻印」を受けた前例があります。
必殺シリーズに合計3回出演された、故・沖雅也氏です。
彼は、「必殺シリーズ・主水物」と呼ばれることになる、
その記念すべき主水初登場作品、「必殺仕置人」で、 棺桶の錠を演じました。
ワイルドでホットで、醒めた主水&念仏の鉄と違い、熱くなるタイプ。
彼のアクションの切れ味の鋭さは、前作「必殺仕掛人」にはない若々しさでした。
そして、中村主水のキャラクターの完成をみせた「必殺仕置屋稼業」
ここでは、ワイルドな錠とは180度違う、クールな殺し屋 市松 を耽美的に演じました
(三味線屋の勇次、組み紐屋の竜、経師屋の涼次の先駆け的存在です)
殺し屋であった父に「技術を仕込まれて育った」生粋の殺し屋。
もともと、一匹狼であったが故に、主水たちとも距離感がありました。
最終回に名作が多い、必殺シリーズですが、「必殺仕置屋」の最終回は、
リュー弾にとっては、オールウェイズNO.1です!
中村主水と市松の緊迫したやりとり、そして、あのエンディング・・・傑作です。
そして、主水物ではない、13回物である、「必殺からくり人 富嶽三十六景殺し旅」の、
お役者・唐十郎。
緒形拳、藤田まこと、山崎努と共に、沖雅也は、
初期の必殺の「顔」ともいうべき存在でした。
必殺シリーズは、アニバーサリーを素敵に演出を仕掛けるドラマでもありました。
「必殺仕掛人」第1話から、通算で第200話に当たる、
「必殺仕業人」では、歴代出演者がカメオ出演。沖雅也氏もアサリ売りとして、
画面を横切っていきました(^^;)
(ちなみに、第300話記念では、逆に今までの主だったる悪役が総出演という凝り様)
そして迎えた、必殺シリーズ10周年「仕事人大集合」では、
棺桶の錠として、再登場。ワイルドなアクションを披露。
同じく、懐かしの「仕事屋稼業」の知らぬ顔の半兵衛(緒形拳)共々、
往年のファンを喜ばせました
ワクワクとさせて、懐かしい顔を揃えて、それでいて単なるごった煮にならないところが、
さすがは、必殺!凄かったです
ところが、その翌年、沖雅也氏は、突然自ら命を絶ってしまいます。
当時の必殺シリーズのプロデューサーは、
「人は死ぬ瞬間にその人生を走馬灯の様に思い浮かべると言います。
彼も、『必殺シリーズ』のことを思い浮かべてくれたかもしれません」と哀悼の辞。
翌年に放送された、スペシャルで、「仕事人大集合」の折りの映像を挿入し、
御大・山田五十鈴氏に「錠さんだ!錠さんが、何処かで私たちの危機を聞きつけ、
助けに来てくれたんだねぇ」と、手を合わさせました。
ここに、棺桶の錠=沖雅也は、必殺の世界の中で、「何処かにいる存在」として、
永遠に刻印されることとなりました。
さて、長年、必殺シリーズの牽引者であり続けた、
中村主水には、どのような刻印が施されるのでしょうか?