堂々大河ドラマ「風林火山」再鑑賞記 #12&#13
2009年 08月 25日
忠義、あります!野望も夢も、あります!
さて、原作では、ここからが始まりとなります。
武田家になんとか仕官しようと画策する勘助。
我らの勘助やんは、色々経験した上で、回りまわって、漸く武田の新しい御屋形様こそ、
命、忠義、己が才能を捧げる相手だと、見初め(^^;)、猛アピール開始!
武士の時代、親が知行を得ていない、いわば浪々の身分の家に生まれたら、
もしくは、家督が継げずに家を出ねばならない、次男三男に生まれたら、
もちろん、待っているのは、就職活動。
江戸時代、藩士の家に生まれついていたら、ほぼ、藩主に忠義を尽くす人生を送ります。
(無論、江戸時代でも御家を自ら離れて浪々の身、というパターンはありますが
絶対量が違うと思います。)
同じ、武士の時代でも大きく違うのは、
戦国時代、こうして自分の子々孫々が忠義を尽くせる相手を、
「自分」で、探すことでした。
自分の忠義を捧げられる相手を自らの手で探し出し、お仕えする!
自分の才能を評価してくれる武将。自分に働く場を与えてくれる武将。
己が人を見る目を信じ、武将を見極めなくてはいけません。
一方、武将の方でも、己がために命を賭して働いてくれる忠臣を探しています。
しかも、才能のある武士を。無芸大食では困ります(爆)
無論、愚臣奸臣を退ける、見る目を武将側も求めらています。
そして、自分に見る目がなかったら、衰退・滅亡は、日常茶飯事。
見る目があっても、勝負は時の運で、敗れた真田幸隆は、
現在、不遇をかこっている最中・・・難しいです。
才能を発揮する場を求める男と、自らの為に才能を発揮してくれる者を求める武将。
二人の最終試験のテーマは、 「兵者詭道也」
才能を発揮できる場を求める男は、現状維持のみを心がける武将には、用はありません。
しかも、異形の自分を受け入れてくれる技量を持った人物でないと、と条件は難しい。
自らのために才能を発揮してくれる男を求めている武将にとっても、
譜代家臣にないタイプの、新しい才能を持つ男を求めています、こちらも条件は厳しい(笑)
今川&北条では、諸事情で、試験にはねられましたが、
今度こそ、自分と因縁があり、心酔している若殿に仕えたい。
策を巡らす、勘助。その策を見破った上で、その策に託した勘助の思いを受け止め、
今川が使いこなせなかった人材を使いこなしてみたいと、
破格の待遇で迎える、武田晴信。
「これが、人に勝つということじゃ!人の心は刀では斬れぬ!」
前夜、晴信から贈られた、心づくしの直衣を手にして、勘助は、涙します。
このあと、武田家の重臣との軋轢が待ち構えますが、「兵者詭道也」で乗り切る勘助。
(無論、一旦は・・・です)
ようやく、このドラマのメインの二人が手を携えて
戦国の世に己が存在を問う時が訪れました。