亀治朗さん出陣記念!(笑) 柴辻俊六・著「信玄の戦略」
2010年 11月 01日
その割には、記事タイトルが・・・(^^;;)
「信玄の戦略
~組織・合戦・領国経営」
柴辻俊六・著
中央公論新社・刊
良書です♪戦国大名・武田信玄を深く知るために、
その政治手腕を中心に、非常に分かりやすく体系的に書かれております。
ただ、入門書ではないです。
武田信玄が甲斐国守護になってから、その死までを、辿って、記述されておりますが、
関東周辺の力関係(今川・北条・上杉・越後)、
武田家での出来事(義信事件)、武田軍の合戦全般など、
既にこちらが把握していることを踏まえて書かれております。
武田家研究の第一人者のひとりである、柴辻先生は、資料に基づく見解を示しつつ、
曖昧な部分は、グレーのままに、今後の課題として提起するという、
理性的なスタンスで、全編を書かれております。
武田信玄の全人生を通して、常に不確定要素の上杉謙信(笑)
(ある意味、マンマークされた謙信も気の毒と言えるかもしれませんが ^^;)
それから、西上作戦の影に埋もれがちな美濃攻略の記述も剋目させられます。
この本は、大河ドラマ「風林火山」放送前年に上梓されております。
柴辻先生は、あとがきで、大河ドラマ「武田信玄」放送の折り出版された関連本の
中身の薄さを嘆かれておりますが、武田信玄研究の指針のひとつとして、
この本は、「風林火山」放送後も燦然と輝いております。