小説「武田信繁」小川由秋著 読了♪ 史上最暖の「ほっこり弟」(爆)
2012年 01月 13日
小川由秋 著
PHP文庫 刊
ただいま、平安、戦国、幕末本を抱え読書三昧の真っただ中♪
最初に、読破した書籍が、 「己鏡」 の、びびんばさんにお借りした、この本にございます。
武田信玄公の賢弟・武田信繁さまについて書かれた小説です。
ですが・・・主役を張るには、甘利にも存在感がない(爆)
いや、書き様はあったと思うのですが(武田軍贔屓発言)
信繁様自体に、甘利にも主体性が無さすぎ(汗)
実父・信虎追放にしても、兄・晴信を積極的に支持というより、
まぁ、ここまで事が運んじゃ、しょうがないか・・・的、描写。
代わって甲斐国守護となった兄のやり様に対しても、ほぼ傍観者(爆)
彼(信繁サマ)の脇を、ビュンビュン歴史が通り過ぎて行っているという感じです。
途中出演(笑)の真田幸隆の方が、よっぽどイキイキ描写されております(^^:)
山本勘助に関しては、新田次郎「武田信玄」に準じた扱いとなっております。
というか、山本勘助に関する資料を「市河家文書」だけ、とあとがきで書かれておりますが、
小説が出版された2年前には、「真下家文書」が見つかっており、
原稿を手掛けた時期がその前だったとして、中身に反映できなかったにしろ、
「調べが甘い」と言われても仕方ない部分もあります。
ところで、武田軍の甘い見果てぬ夢として、
「もし、川中島で、信繁様が討死されていなかったら、『義信事件』は防げたかも」
という、陶酔の(笑)白昼夢があります。
信玄公の同母弟でありながら、決してそのことにとらわれず、あくまで家臣の一人として
兄に仕えた信繁様の姿に、身を律した家臣衆がいたことは事実です。
ですので、嫡男・義信一派が孤立する前、何らか手を打って、
悲劇は防げたのではないか?という甘い夢があるのですが、
この小説は、それも打ち砕いております。
「あー、溝が出来てんなぁ~」 ← こんな感じで、やはり、傍観者のままです(^^;)
ですが、兄・晴信(信玄公)にとっては、数少ない、ほっこり出来る存在だったのだろうなぁ
と、しみじみ感慨に耽ることは出来ます (〃∇〃)
びびんばサン、ありがとうございました
次、いよいよアレ行きます(笑)