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武田軍の足軽大将リューザキ弾正、通称リュー弾♪またの名をカラボリーナ・ドルイスカヤ(爆)最近、草弾師匠という官位(笑)も授かりました☆ 諸国、諸時代、諸かるちゃーを 徒然なるままへめぐります


by リューザキ弾正
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中村主水、座頭市、眠狂四郎、拝一刀のすべての誕生にかかわった男・三隅研次監督

最初に言うと、記事タイトルは少々大げさで、まったく、正確ではありません(爆)
まあ、最後までお読みください(^^;)

映画監督三隅研次は、倒産して今は存在しない映画会社・大映の監督です
職人気質で、黒澤・小津・溝口のような、芸術性で評価を受けている人ではありませんが、
映画人としての創意工夫の類いまれなる才能の人と言えます。

座頭市の第一作を監督したのが、三隅監督です。
御存じの方もいるだろうけど、座頭市の原作は、「新選組始末記」で知られる子母澤寛の
書いた、9ページほどのショートストーリー。
短編の枠からもはみ出す、もとい届かない、短い作品に描かれております。
そこから、原作を基盤にしつつ、無頼の無敵ヒーローが生み出されました。
無論、勝新太郎本人のアイデア、長ドスを仕込み杖に。さらにそれを逆手持ちにしたのは、
勝新太郎です。
その彼のアイデアを具現化して、後の長いシリーズの基礎を作ったのが、
監督の三隅研次でした。

眠狂四郎シリーズ。
映画第2弾が三隅監督の作品です。
はっきり言って、狂四郎に適役である市川雷蔵の主演だろうとも、第一作は、
「眠狂四郎」の名前が付いただけの、ちょっと偏屈な浪人の話になっていました。
それを、原作のイメージに近い造形に組み立て、これまた後のシリーズの基盤を
作ったのが、第2作目を担当した三隅研次の功績と言ってもいいでしょう。

子連れ狼。
萬屋錦之介のテレビ版の印象が、強いですが、
あの劇画を最初にビジュアル化したのは、若山富三郎主演の映画です。
そのメガホンを取ったのが、三隅研次。むろん、劇画原作ですので、
最初からビジュアルイメージは出来上がっている訳です。
それを具体的に映像化する手腕は、彼ならでは、でした。

中村主水。
いやいや、中村主水生みの親は、朝日放送の山内Pと映画監督でも深作欣二だろ?
それは、正解です。裏稼業の世界に「うだつのあがらないサラリーマン」を配した、
山内プロデューサーと深作欣二監督。
しかし、企画を終えた段階で、深作監督は、映画界に呼び戻されることになりました。
必殺シリーズ第2作「必殺仕置人」を手掛けた、複数の監督の中で、
藤田まこと氏に、一番厳しく指導に当たったのが三隅研次監督でした。
「役者の演技やない。コメディアンの演技や」と、ボケカスに罵り(^^;)、別室で説教。
しかし、数本の演出を担当したのち、三隅は、藤田まこと氏にこう言います。
「おっさん、この役。大切にしな。あんさんの一生の宝物になるで」(不正確な関西弁陳謝)

それまで、やりがいのある仕事のひとつという括りでしか、この仕事を捉えていなかった、
藤田まことも、この言葉で意識が変わりました。
そして、「中村主水」というキャラクターはその後も登場し、三隅の言葉通り、
藤田まこと氏の、いえ、時代劇の宝物に昇華していきました。

今回あげた、各キャラクター。生みの親と言うには語弊があるのですが、
時代劇のヒーローの確立に、これだけ関わった人は他にはいないのでは。
「木枯らし紋次郎」の監督もしておりますしね。(メインは市川昆監督)

ちなみに、「木枯らし紋次郎」製作途中で大映が倒産。
その技術の散逸埋没を惜しんだ有志によって立ち上げられた製作会社が、
映像京都です。その中心人物の一人が三隅監督です。
映像京都は、松竹に片足を置きながら、良心的な作品を製作していきます。
(製作会社映像京都は、2010年3月に、解散)

今でも、「三隅研次監督作品」というと、「お、ちょっと見てみようかな、となります」
職人肌の時代劇の名匠。お勧めします。

ちなみに、「帰ってきたウルトラマン」も、三隅さんナシでは始まらなかったかもしれない、
という、可能性もあるのです。
団次郎さん(現・団時朗さん)のwiki参照のこと(笑)

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座頭市全集 DVD-BOX 巻之壱
主演 勝新太郎



中村主水、座頭市、眠狂四郎、拝一刀のすべての誕生にかかわった男・三隅研次監督_f0182920_13451160.jpg

映画 「眠狂四郎 勝負」
主演 市川雷蔵

by salieri777 | 2015-02-15 13:53 | 時代劇よもやま噺